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  • 執筆者の写真江川誠一

はるか999という妄想(真偽混在)

2025年5月3日(土、祝)

関西国際空港駅13時14分発のはるか26号は、北京便からの乗客であふれかえっていた。


途中、弁天町駅でほとんどの中国人が降車。

地下鉄中央線で、大阪湾ベイエリアの夢洲や舞洲へ向かう客である。

入れ替わりに日本人を含む各国の観光客が乗り込む。

この年の4月13日に開幕した大阪・関西万博に合わせ、この駅に全ての特急列車が停車していたのだ。

また2024年には、カジノを含む統合型リゾート施設「大阪と抗争」が舞洲でオープンしており、そことの鉄道アクセスもこの駅が中心になっていた。

さらには環状線、ゆめ咲線で結ばれたユニバーサルスタジオジャパンには、ハリウッド版実写映画化を受け、新アトラクション「鬼滅の刃・ザ・ライド」が4月1日にオープン。世界の子供たちが殺到していた。


2023年に新設された北梅田駅地下ホーム、新大阪駅を経て、はるかは京都駅0番線ホームへするりと入る。

ところが、乗客の半分くらいが降車したものの、残りの半分は車内にとどまったままである。

少しの乗客を乗せたあと発車のチャイムが鳴った。

そろりと走り出したはるかは、なんと前の3両のみで、後ろの6両は微動だにしない。

3分後、残された列車は通常のものではなく、「数十年前の曲をモチーフにしたチャイム」とともに動き出す。


この年の3月13日から1日3往復、関空特急はるかは敦賀駅まで乗り入れていた。

新幹線開業の遅れを逆手に取り、万博開催とコロナ禍からのインバウンドV字回復の時期をとらえ、電力会社の思惑も裏で蠢きつつ、北陸と関西の政財界を巻き込み実現したのである。なお、2027年開業予定だったリニア中央新幹線(品川〜名古屋)は、工事が遅れ2029年開業と変更されていた。

京都駅で切り離された前3両は東海道線に入り米原駅まで、後6両は湖西線から新幹線敦賀駅直下のホームを目指す。

京都と鉄郎&メーテル像が待つまちを結ぶ特急列車は「はるか999(スリーナイン)」と名付けられ、列車側面にはこのロゴとともに敦賀の行先表示画面が光っている。


15時30分敦賀駅着。

北陸新幹線金沢〜敦賀間は、すったもんだしたが、この年の3月13日に開業していた。

北京旅行帰りの北陸人は、新幹線や在来線あるいは車に乗り換えて帰路に。

外国人観光客はこの駅から北陸各地への旅行がスタートする。


敦賀駅では、北陸新幹線のホームには東京や富山等が、特急ホームには関西国際空港や大阪等が、在来線のホームには福井、富山、東舞鶴等の行き先表示が、それぞれ並び賑やかしい。

さらには、同駅での特急・新幹線の上下乗換と、在来線とのムービングウォークは、開業が遅れたことを逆手に取り、リアリティあふれる「銀河鉄道仕様のアトラクション化」が施されていた。

小浜線ホームには天橋立と結ぶ観光列車が彩りを添えていた。

在来線は他社と経営統合され「えちてつ2.0」となり嶺北各地を縦横無尽かつ最適に結び、新駅設置、「敦賀港線の復活」や「旧北陸本線跡の活用」を手がけるなど、県民に愛される存在を目指していた。


この日、敦賀港にはウラジオストクからの大型外港クルーズ船が停泊していた。

また敦賀駅を経由地として、高速バスが鯖江駅、武生駅から名古屋駅まで大増発されていた。

北陸新幹線(仮称)南越駅は、上述の経営統合の流れを受け、JR西が最終的に「越前武生駅」という名称に決めており、ここも高速バスの経由地となっていた。

2022年3月には、都市計画道路敦賀駅東線が開通し、国道8号線、北陸自動車道敦賀インターチェンジと敦賀駅が直結されていた。

このように敦賀は、鉄道、道路、港の広域的な結節点(ハブ)として、復活を果たしたのである。

敦賀市は新しいシティプロモーションのキャッチコピーとして、「なんでやろ敦賀(WHY TSURUGA)」を掲げていた。


なお、この日は「令和7年5月3日」。

語呂合わせで某経済団体が「裏七五三」を、某市民団体が「な・ご・み市」を企画していたが、片方は空振りもう片方は大盛況となった。


(繰り返しますが、内容は真偽が混在しています)

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